熟年夫婦の在宅介護生活365日「胃ろう・気管切開・嚥下マヒ・糖尿病・認知症・」心臓は生体弁・人工血管・脾臓は摘出・それでも人生は一度限り・100才を目標に生きていきます。

日本百名山を完登したけれど・寝たきり要介護5の妻を介護しながら夫の寺ちゃんが描く、子供時代と青春時代、そして今。

№34 映画 見に いかない

「ね 今度の休み 映画 見に いかない」僕は 彼女に 言った

「なんの 映画」彼女は 言った  僕は「とらさんの」って言った

「いいわよ おごってくれんの」 ぼくは「うん」と頷いた

 

映画の中で とらさんが 三人の女子に 写真 とるところ チーズって言うところを 「バター」って言う それが 面白かった 隣の彼女は 笑い転げて 涙 こぼした 僕は 誘って 良かったと思った

 

後日 「映画のお礼に ご飯 おごってあげる」って彼女に 言われた 会社の食堂で ランチ 終わって コーヒー飲んでいたら いたずらぽく 僕の手 握って 「わかったの」って 念 押された 「うん わかった」と返した

 

横浜の 勝烈庵と言う ところで 揚げたての豚カツ定食 食べた キャベツは お代わり できたし ご飯も お代わり できたし 赤だし味噌汁も お代わり できた 二階の座敷で 向かい合って 食べた 僕は カツを 頬張りながら 熱いものが こみあげてきた 

 

帰り 車で 彼女の家まで 送り届けた 夜 10時前 門限に 滑り込みセーフだった お母さんが 門扉 開けて くれた 彼女は 背中で 手 振って 「おやすみ~」と言った  お母さんが すみませんね と微笑った

失礼します と 丁寧に 頭をさげた 

 

恋って こういうものなんだろうなと思った 車のハンドルが とても 軽く感じた いつか 結ばれる予感もした 良い人とめぐり会った 誰に感謝したらいいのか とりあえず ご先祖様に ありがとうございますと言った

 

近所で見た 猫 目と目が合うって ナンダ 生きろ よ な~

f:id:MAIKALFUJIO:20160203233216j:plain