55回目の連載・ハト小屋の下の愛
四人兄弟
上の兄 二人は 中学生
鳩小屋 作って
沢山の鳩 飼っていた
夕方 全部 放す
バタバタ バタバタ
羽音が ホコリが 羽が 匂いが
そして 全部 帰ってくる
ゴロパ グルパ にぎやかに なる
50羽 放して
60羽に なって帰ってくる
はぐれ 鳩 が 一緒に つられて くる
テル兄さんが 言う
「ショウタ はぐれを 箱に いれろ」
僕の すぐ上が ショウタ兄さん
その上 長男のテル兄さん
僕は 子供なので 見てるだけ
ショウタ兄さんは 手早く リンゴ箱に
はぐれ鳩 いれて 蓋した
鳩は同じ顔 と思うのは 素人さ と兄たちは 笑う
(あとになって わかった 鳩の足に 自分の飼い鳩と わかる
認識足輪 リング があり 仕分けするとのこと)
はぐれ鳩は その日のうちに お金に 変わった
お金は 鳩のエサ代 小遣いになり 僕にも くれた
「ホラ オッペル 手 だせよ」
テル兄さんは 僕の両手に アンパンと金平糖 山盛りにくれた
その上に 100円玉 一つ 載せてくれた
ありがとう と言うと 頭を なでてくれた
オッペルは 童話の中の主人公
僕のあだな
どこでも そう 呼ばれた
鳩小屋の下が 空きスペースで
ガラクタ置き場
僕が テル兄さんに ニワトリ 飼うよって
いいよ って 許可 もらって
整理整頓して きれいにして
金網を 張って 出入り口 作って
卵 産み落とす 藁ふきの巣箱 置いて
ノリちゃん(幼馴染みの女の子)から もらった
白色レグフォンを 放した
はこべ は 草で よく 食べた
トーモロコシも よく 食べた
水も うちの井戸水 毎日 あげた
そのうち 巣箱のわらに 白い卵 一つ 見つけた
それから 毎朝 卵 産み落として くれた
大きくて 温かい 卵 愛を 温もりを 両手に 感じた。
毎朝 その卵は お父さん お母さん 兄弟4人に
恵み に なりました。
注・今は スーパーにいくと いろんな種類の卵さんが 買える
1パック10個 148円とか ヨード卵などもある 良い時代を 生きて いると実感しますね。
映画 ひまわりと子犬たちとの七日間 より 泣くほどの話です。