熟年夫婦の在宅介護生活365日「胃ろう・気管切開・嚥下マヒ・糖尿病・認知症・」心臓は生体弁・人工血管・脾臓は摘出・それでも人生は一度限り・100才を目標に生きていきます。

日本百名山を完登したけれど・寝たきり要介護5の妻を介護しながら夫の寺ちゃんが描く、子供時代と青春時代、そして今。

59回目「うちの娘はな じゃじゃ馬なんだよ いいのか」

初めて 彼女の家に いった日

 バイト先で 知り合い しばらく 付き合った日

「こんどの 日曜日 家に きて」

彼女から 目をじっと みつめられ 言われた 「うん」

僕 25才 彼女 22才

遊び盛りの年頃 

駅から 徒歩5分 高級住宅地

その家には 駐車場があり ピカピカの車が 見えた

鉄格子に 似た 門扉 インターフォン ボタン 押した

ピンポ~ン 心地よい メロディが 空気を 揺らした

「ドーモ スミマセ~ン」九官鳥も 吠えた

「あたしっち 九官鳥 いるのよ もう うっさいのよ」

聞いていたので 驚く こと なかった

母親が 門扉 まで 迎えにきてくれて

門 開けて くれた

「お早う ございます 〇〇です」挨拶した

「〇〇子の母です いつも 〇〇子が お世話に なっています」

 

超豪邸とか 超金持ちとか ではなく 立派な家で

そこそこ なんだな という感じがした

僕は 食堂でテレビ見ていた 父親に 挨拶した

新聞見ていた テレビ見ていた でも 僕を見ていた

「話は 〇〇子から 聞いてるよ 大丈夫か うちの娘は 俺に似て いけいけドンドンのじゃじゃ馬だよ やっていけんのかよ」

「男だったら 俺の会社 あと 引き継いで もらうんだ そういうのと 付き合って 行けるのか 覚悟 あるのか」

僕は 帰ります と言うの 必死に こらえた

「はい 」と返事した

 

もう あの時の光景は 見られない でも 思い出すことが できる

懐かしいな あの時 帰らなくて よかったな

すでに 〇〇子の ご両親は 天国へ いって いる

感謝している 毎日 仏壇に 手 合わせて いる

写真も 飾ってあり 笑顔に 語りかける

「お父さん お母さん 〇〇子の介護しています 〇〇子が きのうは リハビリで 外 歩き しました 泣けて きました」

心臓の病で 寝たきりになり 要介護5 在宅介護になり

歩く訓練 はじめたところ ケアマネが言う

「寝たきりから 歩く人 日本で 初めてですね 凄い事ですね」

僕は あの時のこと 思い出す

「うちの娘 俺に 似て じゃじゃ馬なんだよ」

日本百名山を 甲斐駒で 子育てしながら 完登した女として 歴史に残る偉業を 達成した 今 介護ベッドで 一日をすごす

 

運命は 人の人生を 左右しながら 夢を 与えてくれる

燃え尽きるまで まだ しばらく ある

残りの人生 二人で 楽しむことにしよぅ

良い天気 さあ 今日も がんばるぞ~♪ たまには 八景島へ イルカ 遊びにいこうかな 車で15分だ いくか~♪

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