№22 歌声喫茶
喫茶店なんだけれど
みんなで 「山の娘~」とか
舞台の上のアコーディオン弾きに合わせて
肩を 揺らして 同じ 歌を 歌う
歌詞を印刷したの もらえる
だから 歌える
川崎駅前にも あったし
あっちこちに 一杯 あった
ジャズ喫茶も 名前は違うけれど
僕たちは いった
「園まり」のロコモーションなんか
東京のACBで 前席で ききながら
一緒に 歌った
歌声喫茶とジャズ喫茶
同じ時期に 広がった
いくと 知ってるのが何人かいて
そこで また 顔と名前が 広まる
友達が どこそこでバイトしてる
必ず いく
ドアマンに〇〇くんの友達って言うと
呼んでくれる
「はいれよ」の一言で はいる
席に着くと 適当に ジュースとか でてくる
女の子が一緒だと 苺のショートケーキも でる
歌詞カード が 配られて 歌う
夜の9時前には 満員だった店内は ガラガラになり
僕たちも 帰る
徹夜で遊び歩く 理由は無い
また 明日がある
学校にいくの 会社へいくの 親の八百屋の手伝い
ブラブラしているのは いない
「じゃあな~」
駅前で 手 振って 別れた。