2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧
昭和20年代後半 僕の家はトタン屋根 漬物石で押さえてある 家族6人が 貧乏生活をエンジョイしている お母さんは お父さんに惚れてしまい 親に言いつけて 「嫁」さんになった お母さんの実家は 大きい農家 使用人もいる お母さんは 末っ子 わがままで 育った …
喫茶店なんだけれど みんなで 「山の娘~」とか 舞台の上のアコーディオン弾きに合わせて 肩を 揺らして 同じ 歌を 歌う 歌詞を印刷したの もらえる だから 歌える 川崎駅前にも あったし あっちこちに 一杯 あった ジャズ喫茶も 名前は違うけれど 僕たちは …
「ボォーボォー 」 鹿嶋田の陸橋の下を 蒸気機関車が あっちから こっちから きて 向こうへいく 大きな 鹿嶋田操車場がある 一日中 絶え間なが無い 僕のトタン屋根のバラックの家から 歩いて1時間 かかる 友達と 5人で いく 橋の下を SLが通過する時 煙を吐…
僕は 銭湯の他に 時々 お母さんに連れられて 歩いて30分のお母さんの実家に行く 「お風呂 もらいに行く」のだ お風呂のあとは ご飯 食べてくる じいじ ばあば が いる 20人くらい の人が きても 平気な 堀りこたつ風のテーブル ご飯もおかずも味噌汁も 一杯…
僕の家に 猫が 住みついた トタン屋根の バラック 隙間風が と言うより 外と同じ温度 それでも 猫が住み着いた 場所は 「物置」 物置といっても トタン板で囲った だけの場所 お母さんの実家から 貰ってきた りんごの箱 木の箱 勉強机だった 新しい みかんの…
僕は 夕刊を配達する 新聞少年と 呼ばれていた 朝刊は 午前4時だ 兄は 朝刊 僕は 夕刊 夕焼けが 真っ赤に染まるころ あちこちから流れる 「エイヤー 僕の名前は 赤胴鈴之助だ~」 これ ききながら 走った 日が暮れるまでに 終わらないと 暗くなると 犬が 吠…
市制記念日には 花火大会がある 今でも ある 僕は お母さんに 手をひかれて 明るいうちに いく 多摩川の土手 越える 白いテントがならんでいる 市長さんも来る 僕たちは 市長さんと同じテント 〇〇家様 と書かれた 立札のところ ござ ではない 椅子だ お母さ…
天気の良い日 空から キラキラ キラキラ お日様に 反射しながら ビラが 舞い降りてきた 手をかざして 見ると お尻から プッ とビラを 撒いている セスナ機が いた 「ぶぉ~ん 」爆音がした みんなで 歓声 あげて 拾いにいった 抱えきれないほど 拾った ほと…
僕の家から 歩いて30分のところに 多摩川があり 多摩川大橋も 架かっている 今も ある 僕たちは 土手の急斜面で 遊んだ 芝生みたいな草が 生い茂っていて 上から ソリで一気に 落下する感じ 下まで いったら 又 タッタッと駆け上る 一人乗り 二人乗り 角材を…
家はトタン屋根 石が 乗っている トタンが飛ばない為だ でも それを 乗せる人 落ちなかったね 台風の時 石が 僕の近くに 落下した ズシーンと言う 振動と音が まだ 聞こえる 僕には 兄が二人いる 長男 次男 僕 弟 お母さんは 偉いと思う 僕には 兄が二人 弟…
トタン屋根のバラックから お母さんに 連れられて 歩いた お母さんは 家が バラックなのに とっても 貧乏なのに お父さんは戦争のお陰で 仕事 無くなったのに 家には お金がないのに 着飾っていた どこかの 金持ちの奥様みたいだった 和服で 草履で 歩きにく…
お母さんの実家で 餅つき 庭は 広い 臼が 置いてある 杵も一緒 真ん中に 臨時のかまどが できていて 大きい 釜が 二つ 並んで お湯が 沸いていた 蒸篭(せいろ)に 洗った もち米が ザザーと まかれる 五段の蒸篭が 大釜に 乗せられる 隣の大釜のが 大人二人で…
お母さんが 弟の善ちゃん おぶって 歩く おぶい紐の脇から 白い足が 揺れる 僕は お母さんの隣を歩く 時々 手を 繋いでくれる お母さんの顔は 真っ赤 汗が おでこ で 光っている 黙りこくって ひたすら 歩く 「東映に いくからな」 確かに そう 言った そう…
もうもうと サンマ焼く煙が 立ち昇る 七輪の炭が 赤く 吠える サンマの油が ジュジュと下に 落ちて 燃える あっちの家も サンマ みんな サンマの夕食 僕の家も サンマ お父さんが 買ってきた 6匹のサンマ トタン屋根の家の外で 焼いた サンマをくるんでいた…
僕の家は トタン屋根の家 漬物石が 沢山 乗っかっている 壁は無い トタン板で囲ってある 家の中も 外も 温度は同じ 風も ヒューヒューと遊びに来る 無論 お風呂は無い よその家は プロパンガスのお風呂がある 薪で炊くお風呂の家もある 僕は 隣のお姉さんと…
お母さんは甲寅(きのえのとら)年生まれ 猛虎 威勢の良い虎 勢いがあり 人気があり 体力もあり お父さんより 一回り 大きかった でも 気立ては 特に 子供には 優しかった 勿論 お父さんにも 同じ 戦争 親戚の男性が 海軍に 入隊して 千人針 作った とか 町内…
僕は 三男坊 家は 両親と兄弟4人の6人家族 トタン屋根の家 外と変わらない温度 風は 家の中でも 暴れている お母さんは寅年 の女 女の子は 生まれないと言う ある 冬の日 お母さんは 産気づいた 女の子が 生まれた でも 早産なのか 死んだ 僕の耳に 確かに …
お父さんは 空襲で 家を 焼かれて 何もかも 失ったけれど 家族(お母さん 兄弟4人)を 守る為に 焼け跡に 燃え残りの柱 拾ってきたトタン 漬物石 で バラックと言う 家を 建てた 便所は 家の外 大きい瓶(かめ)の上に 板が 渡してある 落ちたら おしまい うんち…
蚊帳(かや)に はいる時 膝を ついて 両手で 蚊帳の裾を掴み 二~三回 パッパッと上下に 振る 素早く もぐりこむ でる時も 同じ やぶ蚊に 刺されると 赤く ふくれる トタン屋根の家は 外と同じ 僕は 三男坊だから 三番目だ お父さん お母さん 長男 次男 三男 …
汗が 目にはいって 口に はいって しょっぱかった 僕は 竹さおを 両手で 握りしめ ゆっくり 円を 描いて いた さお の先には 白い木綿糸に くくりつけられた 「塩カラトンボ」が 強制的に 飛んでいた ああ 疲れた もう いいや と思った 家に 帰ろう 友達に …
歩いて10分の小学校 給食 大好き 帰ってきて ザリガニ捕り 弟の善ちゃん 3つ下 カンカン照りの中 駆けだしたら お母さんが「ホラ !! 帽子!!」 子供用の麦わら帽子 強く 被せた 「痛いよ!! お母さん」 お母さんの奥歯の金がピカッと光って 笑った 近所の小川 …
カレーライス 蝉が うるさかった 夕方 プ~ンとカレーの匂いがした トタン屋根の家 重石が 沢山 乗っていた 兄弟四人 ベーゴマしていた お母さんが「ご飯だよ~」と呼びに来た 外で 薪で でっかい 釜で炊く ご飯 米は お母さんの実家から 貰ってくる 歩いて …
つらら 霜焼けの両手はがさがさ ひび割れ お湯を張った 錆びたブリキ製のバケツ そうと 先っぽから 漬ける 滲みる 痛い! 「お母さん 痛いよ! 滲みるよ」 僕は 鼻水すすりながら 喚いた 頭に げんこつが 飛んできた 「お母さん 痛いよ! 痛い」 四人兄弟の三番…