作品№7 五番目の女の子(12/9)
僕は 三男坊
家は 両親と兄弟4人の6人家族
トタン屋根の家
外と変わらない温度
風は 家の中でも 暴れている
お母さんは寅年 の女
女の子は 生まれないと言う
ある 冬の日
お母さんは 産気づいた
女の子が 生まれた
でも 早産なのか 死んだ
僕の耳に 確かに ウンギャー ウンギャー
と泣く 女の子の声が聞こえた
近所の人が 一杯 きた
僕は そばにいて 赤ん坊の顔 見た
鼻すじに きれいに おしろいが塗ってあった
可愛かった
小さかった
女の子には お花の着物 が 着せられていた
モミジより 小さい手 白くて 僕は 指に触った
女の子は「水子」になった
今も お父さんとお母さんと一緒に「水子」として
親子 仲良く お墓で 暮らしている
僕は 彼岸の日 いく
丁寧に ゆっくり 語りかける
「こんにちわ 仲良く 遊んでる」
「うん お兄ちゃん みんな いるよ」
僕は お線香に 火をつける
お花を 一杯 あげる
帰る時
とっても 充実した 気持ちになる
もし 今 生きていれば
いい 話し相手に なっただろうな