熟年夫婦の在宅介護生活365日「胃ろう・気管切開・嚥下マヒ・糖尿病・認知症・」心臓は生体弁・人工血管・脾臓は摘出・それでも人生は一度限り・100才を目標に生きていきます。

日本百名山を完登したけれど・寝たきり要介護5の妻を介護しながら夫の寺ちゃんが描く、子供時代と青春時代、そして今。

作品№10 サンマの煙

もうもうと サンマ焼く煙が 立ち昇る

七輪の炭が 赤く 吠える

サンマの油が ジュジュと下に 落ちて 燃える

あっちの家も サンマ みんな サンマの夕食

 

僕の家も サンマ

お父さんが 買ってきた 6匹のサンマ

トタン屋根の家の外で 焼いた

サンマをくるんでいた新聞紙も 燃やした

 

親子6人で ちゃぶ台 囲んで サンマの

夕食を 食べた

お母さんが ガウォー 虎みたいに吠えながら

真っ白な太い 大根をおろし どんぶりに 山盛りにした

 

鼻水垂らして 顔 汚れて 頭も ボーボーだけれど

兄弟4人 元気だった

白いご飯は おいしかった

サンマも醤油かけて 大根おろし たっぷり のせて うまかった

 

サンマの骨は 残り火で焼いて カリカリと食べた

残った頭は 外のゴミの穴に 投げた

穴が一杯になったら いちじく の木 植えるんだ

おじいちゃんが お米 持ってきてくれた時 言ったよ。