作品№10 サンマの煙
もうもうと サンマ焼く煙が 立ち昇る
七輪の炭が 赤く 吠える
サンマの油が ジュジュと下に 落ちて 燃える
あっちの家も サンマ みんな サンマの夕食
僕の家も サンマ
お父さんが 買ってきた 6匹のサンマ
トタン屋根の家の外で 焼いた
サンマをくるんでいた新聞紙も 燃やした
親子6人で ちゃぶ台 囲んで サンマの
夕食を 食べた
お母さんが ガウォー 虎みたいに吠えながら
真っ白な太い 大根をおろし どんぶりに 山盛りにした
鼻水垂らして 顔 汚れて 頭も ボーボーだけれど
兄弟4人 元気だった
白いご飯は おいしかった
サンマも醤油かけて 大根おろし たっぷり のせて うまかった
サンマの骨は 残り火で焼いて カリカリと食べた
残った頭は 外のゴミの穴に 投げた
穴が一杯になったら いちじく の木 植えるんだ
おじいちゃんが お米 持ってきてくれた時 言ったよ。