熟年夫婦の在宅介護生活365日「胃ろう・気管切開・嚥下マヒ・糖尿病・認知症・」心臓は生体弁・人工血管・脾臓は摘出・それでも人生は一度限り・100才を目標に生きていきます。

日本百名山を完登したけれど・寝たきり要介護5の妻を介護しながら夫の寺ちゃんが描く、子供時代と青春時代、そして今。

作品№3 12/5(土曜日)Maikal Fujioの子供時代・「僕と善ちゃんのザリガニ捕り」

歩いて10分の小学校

給食 大好き

帰ってきて ザリガニ捕り

弟の善ちゃん 3つ下

カンカン照りの中 駆けだしたら

お母さんが「ホラ !!  帽子!!」

子供用の麦わら帽子 強く 被せた

「痛いよ!!  お母さん」

お母さんの奥歯の金がピカッと光って 笑った 

近所の小川 もう みんながいた

ワイワイガヤガヤ 賑やか

お母さんから 貰った 白い木綿糸

スルメイカの 千切った もの

善ちゃんは 結わけないので やってあげた

小川に はいらなくても できた

ポチャッと投げ入れて 待つと

ググーと引く チョッとしてから

引っ張り上げると ザリガニが 食いついていた

スルメイカが 小さく なるまで 遊んだ

「善ちゃん!  帰るよ」「うん」

ブリキ製のバケツに ザリガニが 山盛り 捕れた

二人で 持って 帰ると

お母さんが 外のかまど に薪 くべて

大きいナベに お湯 わかして

ザザーン と ザリガニのバケツを ひっくり返した

お湯が 飛び散った

しばらく ザリガニが 暴れていたけれど

お母さんが 大きい手で 塩を 掴みいれると

静かになった 

真っ赤に なったザリガニ さま たち

お母さんが 豪快に 大なべを 両手で掴み

お湯 捨てて 「はいよ 食べよう」って

僕は ザリガニを 掴み 両手で パキッて 折って

頭はなべに 戻して 尾の身 のほうを 割って 口 に 運んだ

白い身 ホクホクして 柔らかくて 塩味で 熱かった

近所の人も きて 「うめえな~」と 食った

鍋に残った ザリガニの頭は お父さんが 

味噌汁 作る時に 使う

夕食

ご飯と一緒に ザリガニの頭 山盛りの味噌汁が でた。