№21 SLの湯気と煙
「ボォーボォー 」
鹿嶋田の陸橋の下を
蒸気機関車が あっちから
こっちから きて 向こうへいく
大きな 鹿嶋田操車場がある
一日中 絶え間なが無い
僕のトタン屋根のバラックの家から
歩いて1時間 かかる
友達と 5人で いく
橋の下を SLが通過する時
煙を吐く
それを 浴びる 遊びだ
「今度のは 早いな」
とか
「すげえ 煙だな」
とか
橋の上を 駆け足して
遊ぶと 夕焼けに 急かされて
帰る時間になる
家に着くと お父さんがいた
はちまきしていた
ネギを 「タッタッタッタッ」と 物凄い速さで
切っていた アッと言う間に ネギの山ができた
どんぶりの中に 無造作に 半分 いれた
納豆だった たまごも はいっていた
味噌汁の大なべにも 放り投げた
温かいご飯に納豆かけて 味噌汁も 美味かった
ご飯 食べ終わったら
お父さんが「フロ いくぞ」と もう 歩きだした
僕は あとを 追いかけた。