熟年夫婦の在宅介護生活365日「胃ろう・気管切開・嚥下マヒ・糖尿病・認知症・」心臓は生体弁・人工血管・脾臓は摘出・それでも人生は一度限り・100才を目標に生きていきます。

日本百名山を完登したけれど・寝たきり要介護5の妻を介護しながら夫の寺ちゃんが描く、子供時代と青春時代、そして今。

作品№12 餅つき

お母さんの実家で 餅つき

庭は 広い

臼が 置いてある 杵も一緒

真ん中に 臨時のかまどが できていて

大きい 釜が 二つ 並んで お湯が 沸いていた

蒸篭(せいろ)に 洗った もち米が ザザーと まかれる

五段の蒸篭が 大釜に 乗せられる

 

隣の大釜のが 大人二人で 降ろされる

一番 下のが 臼に 空けられる

湯気が 立ち昇る

別の大人二人が 突き始める

最初は ヨイヨイ とゆっくり こねる

そのうち ヨイショ ヨイショと早くなる

 

ペッタン ペッタン ハイヨ ハイハイ

ペッタン ペッタン ハイヨ ハイハイ

繰り返す

粘る お餅が できた

大人が 水に 手 いれてから

その両手で 臼のお餅を ひっつかみ

縁側の四角い 木の枠の中に ほおりこむ

白い粉が 舞い上がる

手ぬぐい 頭に 被った 女の人たちが

手際よく パッパッ ちぎり だんごにして

黄な粉 大根おろし 醤油 など 味つけして

お皿に 盛り付けしていく

 

隣の女の人たちは

ちぎらないで 木の枠に 一杯に伸ばして

白い粉 まぶして お餅の板 つくる

僕たち 兄弟は お汁粉 いただいたり

大根おろし醤油で 突き立てのお餅 食べたり

薪を 運んだり 水 運んだり

食べたり 仕事したり お小遣い 貰ったり

餅つきの日は 気分が 高揚した