№43 100円カレー
僕が 住んでいた 目蒲線の 雪ヶ谷駅前のアパート
木造二階建て 電車が 通ると 揺れた
生活に 支障はない
とにかく 男 一人 生活できれば いい
川崎の実家から 自立した 喜びのが 大きい
当時は 僕の友達も ほとんどが 自立していた
いい若いものが 親に ご飯 作ってもらって
庇護のもと 生活するなんて みっともなかった
駅前に「100円カレー」店があり
詳しく 言うと カレーショップがあり
メニューに「100円カレー」がある
普通のカレーのと「ライス」が違う
つまり 100円カレー用の ライスなのだ
無論 カレーも 100円用だ
僕は カウンターの恥? 端に腰掛けると
「100円カレー下さい」と言う
少し 声のトーンが おとなしい
「大盛りでお願いします」
増々 声が 遠慮がちだ
普通の人は 普通の注文している
カツカレーの人もいる
僕は 100円カレーで空腹を満たした
有り難いこととして 今も 懐かしい
そのころは そのことを 苦労とは思わなかった
青春は 身も心も 燃えていたし
野望もあり 毎日が 活気があり 楽しかった
今は 人生に 成功者として 自分自身への
「ご褒美」としての「孫」の存在が
それを 証明している
10人十色 と言う
当時 100円カレー食いながら 夢を 語った
仲間は 成功したヤツ しなかった者 いろいろだ
同窓会も 雲上の「お座敷」に なってしまった
僕が そこに 出席するには チト 早い
孫の結婚式に呼ばれてからだよ 諸君!!